9/25アーセナルの守護神ペトル・チェフが今シーズン限りで契約を満了するというニュースが伝えられました。
昨シーズンは若干不安定なプレーがあり、守護神交代を求める声もありました。その声が届いたか、今シーズン開始前の移籍市場ではドイツ・レバークーゼンから、ベルント・レノを獲得。ドイツ代表にも選ばれた実績もあるこのGKが今シーズンのゴールマウスを守るのではないかというのがシーズン前の予想でしたが、シーズンが開幕してみると、昨シーズンと変わらず、チェフがゴールマウスを守っています。
今シーズン第6節のエバートン戦ではスーパーセーブを連発。ディフェンス陣が不安定の中、最後までゴールを死守し、今シーズン初のクリーンシートを達成するなど、大きくチームに貢献しています。
契約延長の話は今のところ出ていないようですが、このままチームを去ることになって本当に良いのでしょうか?
彼のこれまでの活躍を振り返ってみましょう。
ペトル・チェフの基本情報
名前:ペトル・チェフ(Petr Čech)
生年月日:1982年5月20日
国籍:チェコ
経歴
1999-2001 FKフメル・ブルシャニ
2001-2002 スパルタ・プラハ
2002-2004 スタッド・レンヌ
2004-2015 チェルシー
2015‐ アーセナル
チェコ時代(FKフメル・ブルシャニ/スパルタ・プラハ)
1999年にFKフメル・ブルシャニでデビューし、すぐに活躍し頭角を表すと、2001年にチェコの名門スパルタ・プラハに移籍。UEFAチャンピオンズリーグでも活躍しました。
レンヌ時代
2002年にはフランス・レンヌに移籍し、ここでもすぐに守護神の座をつかみます。当時のレンヌは毎年残留を争うチームでしたが、チェフ加入以降は順位を中位に押し上げることに成功しています。
なお、レンヌ時代には元日本代表監督ハリルホジッチに指導を受けており、当時のことを以下のように語っています。
――ところで、あなたはレンヌ時代にヴァイッド・ハリルホジッチ監督の下でプレーしたことがありますよね?
チェフ:イエス(2002年10~2003年5月)。
――ハリルホジッチ監督は現在、日本代表を率いています。レンヌ時代にはどんな指揮官でしたか?
チェフ:経験豊富な監督で、非常に細かいところまでこだわるのが大好きな指導者だった。当時は、練習でハードワークをこなすだけじゃなくて、戦術についても細かい指示があり、綿密に準備をして試合に備えていた。ハリルホジッチ監督がクラブに来た時、レンヌは最下位にいて、とても厳しい状況にあった。だが監督は、チームの目標だったリーグ・アン残留に成功して、パリ・サンジェルマンに旅立っていった。素晴らしい監督だったから、パリ・サンジェルマンのようなビッグクラブに引き抜かれたのも当然だって思ったよ。
出典:サッカーダイジェストWEB 2017.2.24 ペトル・チェフ インタビュー
チェルシー時代
2004年にイングランド・チェルシーに移籍。移籍初年、前年まで守護神として君臨していた、カルロ・クディチーニの控えとなることが予想されていましたが、当時の監督ジョゼ・モウリーニョに抜擢され、移籍初年度から正GKとして活躍。1年目からプレミアリーグ優勝に貢献するとともに、694分連続無失点のプレミアリーグ記録(当時)を更新しました。また、UEFA最優秀GK賞にも輝いています。
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しかし、2006年のプレミアリーグ第8節レディング戦で相手選手と接触し頭部を負傷。頭蓋骨陥没骨折という大怪我を負いました。一時は選手生命も危ぶまれましたが、驚異的な回復を見せ、3か月後に頭部にラグビー用のヘッドギアを付け、実戦に復帰しました。それ以降も頭部を守るため、常にヘッドギアを付けて試合に臨んでいます。
なお、ヘッドギアにより試合中の音が良く聞こえないという弊害はあるようで、ヘッドギアの脱ぐことも考えていたようですが、それは医師に止められたそうです。安全に勝るものはないということでしょうか。
2008年にはUCLで準優勝を達成。決勝で同じイングランドのマンチェスターユナイテッドとの一戦でPK戦に突入。クリスティアーノ・ロナウドのPKを止める活躍もむなしく、5-6で敗れ惜しくも涙をのみました。
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2012年に雪辱を果たします。UCL決勝でドイツ・バイエルンと戦い、またもやPK戦に突入。ここでは、オリッチ、シュバインシュタイガーの2本のPKを止め、4-3で勝利し、自身初のUCL優勝を成し遂げました。
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その後2014年に、アトレティコ・マドリーからレンタルバックされたクルトワにポジションを奪われ、第2GKとしてシーズンを過ごしました。
アーセナル
2015年にアーセナルに加入。以降守護神としてアーセナルのゴールマウスを守り続けています。2018年にはプレミアリーグ史上最多となる200試合ものクリーンシート(無失点試合)を達成しています。
しかし、2017-2018シーズンでは不安定なプレーが頻発し、ファンの間からは守護神交代の声も上がっていました。その声もあってか、2018-2019シーズン開始前に、ドイツ・レバークーゼンからレノを獲得。守護神交代がうわさされましたが、シーズンが始まると、アーセナルゴール前にはこれまで同様にチェフが君臨していました。プレミアリーグ第6節ではビッグセーブを連発し、チームの勝利に貢献するなどまだまだチームの守護神として活躍するだろうと思っていた矢先、第7節のワトフォード戦でハムストリングを負傷し途中交代。2~3週間の離脱となる見込みです。
チェフのスーパープレイ集はこちら。
おまけ
チェフはドラムが得意なようで、こんな動画をアップしています。
まとめ
- チェルシー時代に当時の最長無失点記録を作るなど活躍。プレミアリーグ制覇やUCL優勝などの栄冠を勝ち取り、世界最高のGKのひとりと呼ばれた。
- 2006年のリーグ戦で頭部陥没骨折の大怪我を負うが、驚異的な回復力で3か月で復帰した。それ以降、ラグビーのヘッドギアを着用し試合に臨んでいる。
- アーセナルには2015年に加入し、以降、守護神として君臨。
- プレミアリーグ史上最多となる200試合ものクリーンシートを達成している。
- 2017-2018シーズン途中、不安定なプレーから守護神交代の噂もあり、チームも2018-2019シーズン開始前にレノを獲得したが、2018-2019も相変わらず守護神の座を守り続けている。
いかがだったでしょうか。やはりまだまだチェフの活躍に頼るところは多いですね。とはいえ、年齢的な衰えが見えるのも確かで、それは致し方ないところ。新加入のレノの活躍にも期待してみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。